『名旅館&一流ホテル 優雅な一泊二日の旅』特派記者報告(3)

7.宿泊先「淡島ホテル」

■心身ともに癒される“ハッピーサプライズ”
文・写真/加藤志穂(会社員)
「窓の外をご覧ください。今日はお天気が悪いので特別
にライトアップしてくれるよう、頼んでおいたんですよ」「ええ、本当に?」
レストランの窓の外に目をうつすと、スポットライトのように明るい漁船の光が夜の海を照らしている。陽気なレストランマネージャーが、茶目っ気たっぷりにうなずいた。
「淡島ホテル」は、宿泊客にさまざまな“ハッピーサプライズ”を用意して待っていてくれる。それは、不定期に行われるヨットクルージングであったり、秘密のトンネルに隠されたワインセラーでのパーティであったりと、ゲストひとりひとりの好みに合わせて演出してくれるのである。静かな休日を楽しみに訪れた客を邪魔することのないよう、スタッフがあまり公共部分を歩き回らないという心遣いをはじめ、客室の内装をすべて変えて、好きな間取りや色の部屋を選べるようにしてあること…など、本当に細かい部分まで、滞在客本位
のサービスが行き届いている。
ジャグジー付きの露天風呂の前には穏やかな海が広がる。波の音、風の音、鳥の声がBGMとなり、私たちはゆっくりとした時間を取り戻すことができた。「昔の高級旅館のホテルバージョンね。本当に居心地のいいホテルだわ」。同行した母が夕食のイタリアンに舌鼓を打ちながら言った。
客室にも“ハッピーサプライズ”は満ちている。なんと、日本の名水百選に選ばれている柿田川の湧き水が、水道水として引かれているのだ。翌朝、そのミネラルウォーターで満たしたバスタブの中で、空にふわりと浮かび上がる富士山を見た。ホテルが用意してくれた贅沢なサプライズの数々に、体だけでなく、心も癒されていくのを感じた。
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