うぶ歌舞伎ファン「女形役者福助贔屓」
 皆々様、お久しぶりでございます。 中村福助丈の舞台につきましては、相も変わらず三浦憲治カメラマンと共に、毎月欠かさず舞台撮影に通っております。ひどいときには(いや、時間の許す限り)二度、三度(四度、五度…編集部の皆が呆れるほど)劇場に足を運んでおります。いつぞやは、「負け犬の遠吠え」なる本に、歌舞伎役者の追っかけなんぞはいかにも負け犬らしくてみっともない、などといったニュアンスで(…とほほ)罵られもしましたが、それにもめげずに着物を着て(まあ、撮影のときは仕事着ですけど)、せっせと歌舞伎通いです。だって、面白いんだもん。おかげで、数年前には初心者だった私も、ようやく歌舞伎の面白さがわかってきたような気がします。
『和樂』10月号の坂東玉三郎さんの特集では、半年に渡って写真家の篠山紀信さんと追っかけ取材をさせていただきました。役者を追いかけるというのは、歌舞伎を知る手段としては楽しい近道のような気がします。11月号の和楽器の特集では、歌舞伎囃子方田中流家元の田中傳左衛門氏のご好意で、歌舞伎座の黒御簾の撮影(これは宣伝部の方も初体験)までさせていただきました。囃子方の音に耳を傾けると、また歌舞伎の奥行きも広がるものだと実感しました。
さて、またまた歌舞伎座・八月納涼歌舞伎、福助丈の舞台撮影いたしましたので、ご覧ください。これから、九月歌舞伎座の初日を観に行きます。夜の部で、弟の橋之助さんとの『男女道成寺』が楽しみです! では、来月の写真もお楽しみに。
撮影/三浦憲治


<一部>『蜘蛛の拍子舞』の妻菊、実は葛城山女郎蜘蛛の精。女郎蜘蛛の精の写 真は、今までにないパターンの迫力モノで、福助丈ご本人もお気に入り。
福助写真
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<二部>『仇ゆめ』では深雪太夫。狸(中村勘九郎)が深雪太夫に恋焦がれて、舞の師匠に姿を変えて島原の廓へと向かうというようなストーリー。艶っぽくて、優しく、でもオキャンな面 もみせていただきました。
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<三部>東海道四谷怪談 お岩の妹役でお袖、小平女房お花の二役でしたが、この写 真はお花。きれいでしょう!
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●福助丈主演の映画『娘道成寺 蛇炎の恋』が公開になりました。もちろん、道成寺のシーンは見事でしたが、素踊りの稽古シーンもなかなか素敵でした。

文・新居典子

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