うぶ歌舞伎ファン「女形役者福助贔屓」
 主演映画『娘道成寺―炎の恋―』の撮影でしばし舞台を休まれていた福助丈が、今月は歌舞伎座の『八月納涼歌舞伎』にて観客を多いに沸かせてくれました。第一部の『浅妻船』は白拍子朝香で、遊女がつれない客を恨むクドキ、手踊り、鞨鼓の舞、鈴太鼓の振りと変化に富んだみごとな踊りを披露。第二部の『牡丹燈籠』では伴蔵の女房のお峰役。もうこれが福助丈ならではの女芸のさまざまな表情をたっぷり楽しめて最高でした! また第三部は、『神楽諷雲井曲毬 どんつく』で美しい芸者役を演じたかと思えば、野田版『鼠小僧』では若菜屋後家 お高役で思いっきり笑わせていただきました。では、カメラマンの三浦憲治氏が撮り下ろした今月の福助丈の姿をたっぷりとご覧ください。


<『浅妻船』の白拍子朝香>

福助写真
『浅妻船』の白拍子朝香でさまざまな表情を見せてくれた福助丈。

<『牡丹燈籠』の伴蔵の女房のお峰>

福助写真
お峰が貧しい暮らしを支えるために着物を仕立てている健気な姿。

福助写真 福助写真
夜更けの庭先で団扇を仰いで火をおこす女房のしっとりした風情。 哀れにも、夫の伴蔵に殺される迫力あるシーン。

<『神楽諷雲井曲毬 どんつく』の芸者>

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『神楽諷雲井曲毬 どんつく』の芸者。ただただ美しくってうっとり。橋之助丈と芸 を披露する。

<『野田版 鼠小僧』の若菜屋後家 お高>

福助写真
話題の新作『野田版 鼠小僧』での若菜屋後家 お高。夫の亡き後7年も後家を通 して操を立てている貞女の鏡と世間では通っているが、これがとんでもない貞女…。こちらは『研ぎ辰の討たれ』の「あっぱれじゃ!」をも思い出させるコミカルな福助丈を垣間見れた。


<さあ、一緒に追っかけましょう!●中村福助丈の9月、10月の予定>
9月★歌舞伎座『九月歌舞伎四百年 九月大歌舞伎』(9月2日~26日)の
昼の部/『六歌仙容彩―業平―』小野小町
夜の部/『ひらかな盛衰記―無間の鐘』傾城梅ケ枝
10月★平成中村座(10月2日~26日、浅草の浅草寺の境内に小屋が設営されます!)
昼の部/串田和美氏演出『加賀見山再岩藤―骨寄せの岩藤―』お柳の方/二代目中老尾上
夜の部/『本朝廿四孝―奥庭狐火の場』八重垣姫
    『人情噺文七元結』角海老女房お駒
尚、10月12日夜の部は、観客はみんなきもので観劇するという日です。
●スケジュール及びチケット購入のお問い合わせは、中村福助裏梅会事務局


文/新居典子(本誌編集部)

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